金蘭千里中学校・高等学校

中高一貫・男女共学

大阪府吹田市藤白台5丁目25番2号

TEL:(06)6872-0263

ひとびと

教員

教員インタビュー

数学

新宮進

数学担当。シーズン中は毎週末釣りに出かけ、ホームの堤防では名の知れた釣名人。大学時代は麻雀に熱中し、3段の腕前も。「ポケモンGO」のコンプリートをめざす等、一度熱中するととことん追求するタイプ。人としてのモットーは、自分のパターンになれば超一流にも対峙できる「超二流をめざす」。日々の生徒からの数学に関する質問と解説をまとめた「高校数学弱点克服講座I・II・III」を出版した。

 金蘭千里の良い所として胸を張って言えるのは「生徒の質が良い」ことです。50周年改革以降、いろいろ変わった本校ですが、この点は今も昔も本質的に変わらない所ですね。学力云々より、基本的に素直さを心根に持っている生徒が多いと感じます。そこで6年間の学生生活を送る、つまり同級生に恵まれる。これは人生にとって素晴らしいことです。
 昔は学校も厳しく、生徒も言うことをよく聞き、がむしゃらに勉強するような光景でしたが、50周年改革を経て、最近は学校の雰囲気は変わりつつあります。まず、生徒の表情は明るくなりました。クラブ活動が盛んになったり学校行事が増えたり、今はまだ見える部分の変化ですが、本質的な改革はこれからだと感じています。この学校で生徒、教師一人ひとりがどう変わっていくか楽しみです。私もかつては生徒を怒鳴りつけるように叱ったりしていましたが、最近心掛けているのは、生徒自身に気づかせることです。「君は今、こういう状況だ。この現状を理解して、これから君はどうする?」と、自分で考えさせます。上から抑えつけるように叱ると反発しますが、自分で考え、出した答なら納得がいくもの。金蘭千里の生徒は根が素直なので、自分で正解を導き出せるんですね。以前受け持った生徒で、能力はあるのに反発ばかりしていた子がいました。叱っても、なかなか言うことを聞きません。それが、中学3年になって、急に素直に人の言うことを聞くようになり、高校に入ってからは模範的な優等生に。成績の伸びも素晴らしく、我々教師陣も感心するほどの急成長でした。そして超難関国立大学に現役合格したのです。きっと自分の中で何かに気づき、変わったのでしょう。中学高校の年代になれば、人に言われることを聞くか聞かないか、すべて自分の選択なのです。そんな経験もあり、我々教師は生徒達に答を突き付けるのではなく、自分で気づき、答を出せるようにサポートしてやる役割でありたいと思っています。そういう私のスタンスからか、生徒からは「変なおっさん」と思われているのではないでしょうか。むしろ、思われたいです。教師然とした真面目さよりも、生徒から「あんな、楽しそうに生きてる大人になりたい」と思われる人でいたいですね。
 「数学の授業は古典落語だ」と考えています。古典落語は、同じ話でも噺家によっておもしろさが違う。数学授業も、すべての教師が教えている内容は同じはずなのに、わかりやすさが違う。それは間の取り方や、聞き手の状況に合わせたタイミング等、絶妙な話し方にあると思います。そんな考えのもと、授業もさまざまな工夫をしています。数学とは、わからない領域は真っ暗だけど、一度わかったら何でもないこと。わかるかどうかギリギリのレベルの問題に取り組むことで力をつけていけます。「数学は、解けたら単純にうれしい」そんな気持ちを味わわせてやりたい。これをモットーに授業に臨んでいます。